この治療との出会い
私が屈曲陰茎(先天性陰茎湾曲症)の治療に携わるようになったのは、銀座みゆき通り美容外科へ入職したことがきっかけでした。
私は形成外科専門医として経験を積み、その後、美容外科の道へ進みました。しかし、形成外科で勤務していた頃は、この疾患の存在も、治療法も知りませんでした。手術を初めて教わったのは、当院理事長の水谷でした。
今振り返ると、医師である私自身が知らなかったくらいですから、一般の方が「治療できる病気」であることをご存じないのも無理はないと思います。
この手術と出会ったことで、「こんなにも人生を左右する悩みがあるのか」と知り、この分野に真剣に向き合っていきたいと思うようになりました。
最初に感じた「驚き」と「使命感」
実際に診療を始めて最も驚いたのは、これほど多くの患者さんが、この悩みを一人で抱え続けているという事実でした。
下半身の悩みは非常にデリケートです。ご家族にも、恋人にも、友人にも相談できず、長年苦しんでいる方が本当に多くいらっしゃいます。
診察では、「誰にも相談できませんでした」「自分だけがおかしいのではないかと思っていました」と打ち明けてくださる患者さんも少なくありません。
命に関わる病気ではありません。しかし、その方の自信や恋愛、将来の人生にまで影響を及ぼすことがある疾患です。そのような患者さんのお力になれることに、大きなやりがいを感じています。

診察室で出会った患者さんたちのこと
これまで約10年間で600件ほどの手術を担当してきました。患者さんは20代前半の方が多いですが、年齢に関係なく、皆さん長い間悩み続けて来院されます。
忘れられない患者さんの一人は、他院で手術を受けた後、修正手術を希望して来院された方です。
以前受けられた手術では、皮膚の上から小切開で白膜を短縮する方法が行われていましたが、湾曲が十分に改善せず、ご本人は結果に満足されていませんでした。
当院では白膜を直視下で確認しながら丁寧に短縮を行い、さらに術中に人工的に勃起状態を再現し、その場で湾曲が十分に改善していることを確認しています。
修正手術後、抜糸の際に勃起状態を確認した患者さんから、「前回の手術とは全然違います。本当にまっすぐになりました。」と感謝のお言葉をいただきました。その時の笑顔は今でも印象に残っています。
手術によって湾曲が改善すると、精神的にも自信がつき、女性とのお付き合いにも前向きになれたというお話を伺うことがあります。人生にとって大きな悩みだからこそ、その変化は患者さんにとって非常に大きな意味を持つのだと感じています。
「手術を勧める」ことへの葛藤と確信
私は、すべての患者さんに手術を勧めるわけではありません。
例えば、少し左右に曲がっている程度で性行為に支障がなく、ご本人もあまり気になっていないのであれば、必ずしも手術は必要ありません。
一方で、ご本人やパートナーに痛みがある、挿入が難しいといったケースでは、治療によって改善が期待できます。また、性交経験がなくても、湾曲そのものが強いコンプレックスとなり、恋愛や結婚に踏み出せないほど悩んでいる方もいらっしゃいます。
私は曲がりの角度だけではなく、その悩みが患者さんの人生にどれほど影響しているのかも含めて、治療が必要かどうかを一緒に考えるようにしています。

私がこだわる「治療の質」とは何か
手術で私が最もこだわっているのは、デザインと安全性です。
術前には勃起時のお写真をご提出いただき、どの部位の白膜をどれくらい短縮すれば最も自然に改善するかを慎重に計画します。
しかし、その計画どおりに進めるだけではありません。術中には勃起状態を再現し、実際の湾曲を確認しながら、最小限の短縮で最大限の効果が得られる部位を見極めています。
また、この手術では皮膚の剥離範囲が比較的広いため、術後の血腫を防ぐことが非常に重要です。そのため止血は時間をかけて丁寧に行っています。
傷跡についても、できるだけ目立たないよう細い糸を用いて形成外科で培った技術を生かし、一針一針丁寧に縫合しています。
術後も定期的に診察を行い、皮膚の状態や傷の治り具合をしっかり確認しています。
悩んでいるあなたへ、伝えたいこと
この手術は、費用面も含めて決して気軽に決断できるものではありません。また、当院で採用している術式は、一度行うと基本的に元の状態へ戻すことはできません。
だからこそ、私は患者さんに十分ご理解・ご納得いただいたうえで治療を受けていただきたいと考えています。
もし今、このコラムを読んでくださっている方が一人で悩んでいるのであれば、まずは相談に来ていただければと思います。
手術を受けるかどうかは、その後ゆっくり考えていただければ構いません。
当院では初回手術だけでなく修正手術も数多く行っています。他院で思うような結果が得られなかった方も、「もう治らない」と諦める前に、一度ご相談ください。
患者さん一人ひとりのお話をしっかり伺い、本当に手術が必要なのかも含めて、一緒に考えさせていただきます。診察室でお会いできることをお待ちしております。
医師プロフィール・経歴

大阪院院長・医師 岩井謙治
経歴
- 2004年 神戸大学医学部医学科卒業
- 2006年 金沢医科大学病院形成外科入局
- 2011年 京都大学病院皮膚科入局
- 2011年 兵庫県立塚口病院 皮膚科医長
- 2013年 北山武田病院 皮膚科・美容皮膚科医長
- 2015年 銀座みゆき通り美容外科大阪院勤務
所属学会・団体
- 日本美容外科学会
- 日本形成外科学会(形成外科専門医)
- 国際形成外科学会
- 日本皮膚科学会
